徳島新聞Web

2月19日(月曜日)
2 2
19日(月)
20日(火)
一丿森ヒュッテの管理人になった   2003/6/3 17:38
このエントリーをはてなブックマークに追加

一丿森ヒュッテの管理人になった

内田 忠宏さん
(うちだ・ただひろ)

 笑顔が実に穏やかだ。この仕事が好きでたまらない、という人が放つ充実感を全身に漂わせている。

 山登り四十年余り。「剣山系で最も美しい。心引かれてやまない」と語る県内四番目の高峰・一丿森(標高一、八七九メートル)。その山頂にある木屋平村営ヒュッテの管理人になり、念願がかなった。

 「電気や水道もままならない山の暮らし。もちろん不安もありますが、とにかく登山客との出会いが楽しい」

 池田高校時代、岳友会(現山岳部の前身)をつくった。こうと思ったらすぐに実行する性格は、年齢を重ねても変わらない。細川内ダムに反対する徳島市民の会の事務局長を務め、可動堰(ぜき)反対市民の会にも参加。「大好きな自然を守りたい」という思いを行動で示した。

 NTT社員からの転身。正式の管理人就任は二日だったが、一刻も早く山の生活に慣れたいと、四月下旬から休職し、ボランティアでヒュッテに移り住んだ。管理人の仕事もすっかり板についている。

 妻に転身を相談すると「あなたの好きなように生きたら」の言葉が返ってきた。「独立した二人の子供も会社の同僚たちも、温かい目で見守ってくれる。周囲には本当に感謝しています」と照れながら話す。

 今、最も苦心しているのが年間約五百人の宿泊客に出す料理だ。

 「昔から料理は得意なんですが、人に食べてもらうとなると勝手が違う。何もかも勉強あるのみです」

 池田町の出身で徳島市内に自宅がある。五十九歳。