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通算10期目となる女流王位を防衛した   2003/10/28 17:18
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通算10期目となる女流王位を防衛した清水 市代さん
(しみず・いちよ)

 「自分らしさが出せたシリーズだったと思います」。感想戦を終え、ほっとした表情が激戦の跡を物語っていた。

 長年のライバルで最強の挑戦者・中井広恵女流三冠を迎えて二十七日、徳島市で行われた女流王位戦五番勝負第四局。初戦を落とした後、三連勝で防衛。女流王位戦では十四期中、十期獲得と圧倒的な強さを見せる。

 「中井さんは、じっくり読み比べができる相手」だけに、慎重に指し回し、唯一のタイトルを守りきった。「女流王位戦は全国を転戦するので、地元の人たちと触れ合えるのが楽しみ。それだけに力が入ります。持ち時間が四時間と長いのも、私に合っているのかも」

 四月から九月まで、NHK将棋講座で「清水市代の一局お願いします」を担当した。「将棋を通じて礼儀や、普段にも応用が利く考え方を伝えたかった。反響が大きくてうれしかったです」と白い歯を見せる。

 自宅で開いている子供向けの将棋教室は三年目に入り、運営も軌道に乗ってきた。「最初は夢中でしたが、最近は、子どもたちを教えるのが一番のリフレッシュになっています」と言う。

 対局に、普及にと、多忙な毎日だが、ひまを見つけては「枕草子」などの古典を読む。好きな言葉は「上善如水」。理想は水のように柔軟で謙虚で力があるという意味だそうだ。

 「次の目標は」と尋ねると、「今はほっとしたところなので、何も頭の中にありません。楽しみは十二月の谷川浩司王位との記念対局」。一息ついて、また新たな戦いが始まる。

 東京都東村山市に父母と三人暮らし。三十四歳。独身。