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性同一性障害者の戸籍性別変更を実現させた   2004/10/28 16:25
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性同一性障害者の戸籍性別変更を実現させた大島 俊之さん
(おおしま・としゆき)

 心と体の性別が食い違う性同一性障害を理由に、戸籍の性別の変更を認める特例法がこの夏施行された。当事者は順次、法律上も望む性別を手に入れつつある。

 「ほっとしました。半面、何でこんなに時間がかかったのかと思う」。戸籍の性別変更の必要性をいち早く指摘した神戸学院大教授は苦笑する。

 全共闘の時代に阪大に進み、イデオロギー論争にむなしさを感じた。「社会の一隅を照らすような研究をしたい」と民法を志す。

 フランスの判例を調べていて、性同一性障害者が法的性別の訂正を求めた事件を発見。「性は人間の根幹にかかわる」と研究し始め、一九八三年の論文で戸籍の性別変更を主張した。その後も各国制度の調査を続けたが、当事者への偏見のためか、反響は少なかった。

 しかし九八年、日本初の公的な性別適合手術(性転換手術)が埼玉医大で行われると、注目されるように。手術で身体が新たな性別になっても、戸籍がそのままでは結婚も就職もできない不条理を訴えるため、次々に著書を出版。「運動は得意でない」と言いながら、国会議員らの勉強会に出席しては持論をぶち、立法にこぎ着けた。

 「当事者には将来を悲観して自殺する人もいる。顔を見ると、やらにゃならんという気になりました」と振り返る。

 大のテニス好き。余生は「スポーツと法」の研究と決めていたが、性同一性障害者を通じて知り合った同性愛者の法律問題も「放置できない」。鳴門市出身。五十七歳。