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吉野川市美郷でスローライフの生活を送る
青木裕(あおき・ゆたか)さん   2007/3/20 11:49
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吉野川市美郷でスローライフの生活を送る 経済的な豊かさより、心のゆとりを。物質文明の享受より、自然との調和を。ホタルで有名な川田川の近く、吉野川市美郷宗田に古民家を借り、夫婦二人でスローライフの生活をする。ガスも携帯電話も使わず、生活費は月に三万円程度だ。

 伝説的なギタリスト、ジミ・ヘンドリックスに魅了され、大学卒業後は東京でプロのミュージシャンを目指した。ここで知ったヒッピー文化が出発点。一九六〇年代後半に世界の若者が既成の価値観を否定、自然への回帰を提唱した動きで、スローライフの理念と通底する。

 帰郷した八年前から昨年までは実家のある同市鴨島町内でカフェ「Cafe au Go Go」を経営。だが、店のためにお金の心配をするのがストレスに。「お金を稼ぐのは、本来はご飯を食べるため。それなら自給自足で心は自由になる」と考えた。店で、スローライフを実践するミュージシャンらと出会えたことも影響した。

 昨年五月に踏み出した生活は「思った以上に面白く、さわやかな日々」。近くの畑で食べる分だけの野菜を育て、ふらっと音楽を奏でる。川音が聞こえ、陽光降り注ぐ家でのんびりするのは気持ちがいい。雨後の川べりを歩き、薪にする流木を多く集めたときに、素朴な満足感を得る。自分の時間を悠々と楽しむ。

 今月上旬、自宅を公開したら、八日間で百人以上も訪れた。「お金を稼がないと幸せになれない。この考えに縛られた現代社会で忙しさに追われ、生きづらさを感じている人も多いんだな」。過去の自分と重なった。

 妻の佳代子さん(37)や友人と民族音楽の「忌部楽団」を結成、アフリカの太鼓・ジャンベを手に市内外のイベントなどに出演している。三十五歳。