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徳島市内で約2年3カ月ぶりに常設映画館を復活させた
三木稔(みき・みのる)さん   2008/12/24 10:53
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徳島市内で約2年3カ月ぶりに常設映画館を復活させた 徳島市蔵本町の旧徳島平和劇場を改装した映画館「シネアルテ」をオープンさせた。初日から映画ファン三十六人でにぎわった。「予想以上の人に来ていただき、映画館への期待の大きさを実感した」と手応えを強める。

 昨年春から約一年九カ月、全国の県庁所在地で唯一、常設映画館がないという汚名返上に一役買った。しかし「映画が好きだから復活させたかった、なんて格好良い理由じゃないですよ」と照れ笑い。

 映画館にまつわる忘れられない思い出は、誰にもあるはず。映画館は文化の発信拠点でもある。そんな施設を県都の若者の身近に残そうと考えた。その熱意で、銀行との融資交渉や配給会社探しに奔走。三年越しの思いを果たした。

 徳島市新浜町出身。阿南高専を卒業後、バーや雑貨店を営む間に、ベトナム中心にアジアを延べ一年間旅したこともある。「いろんなことに興味があるんです。長続きしないけど」。現在も映画館と併設するカフェなど、三店舗のカフェを経営する。
 仕事で付き合いがある仲間からは「常に意欲的に何かに挑戦している人。仕事には厳しく、陽気で気さくな一面もある」との声も。

 豊富な経験に根差した経営感覚や人脈は、初挑戦の興行の世界でも生きている。館内にはいすの代わりにソファを並べた。座席には併設するカフェのケーキや飲み物を届ける。独自のサービスを実践する。「これまでの経験の集大成といえる施設。今度は長続きさせますよ」

 開館が新聞で報じられ、知らない人から電話で「頑張って」「地域を盛り上げて」と励まされる機会が増えた。「シネコン(複合型映画館)に押されてプロでも経営に苦しむ時代。魅力的な割引制度や催しを充実させて、末永く愛される施設にしたい」と意気込む。

 趣味はやはり映画鑑賞。仕事を終えた深夜、酒を片手にDVDを見るのが好きだ。「開館準備に追われてしばらく見れてないけど、今夜は久々にくつろげそう」。笑みがこぼれた。新浜町の実家で両親と三人暮らし。三十三歳。