徳島新聞Web

11月22日(水曜日)
2 2
22日(水)
23日(木)
40周年を迎えた徳島地方史研究会の代表を務める
石尾和仁(いしおかずひと)さん   2010/12/31 10:13
このエントリーをはてなブックマークに追加

40周年を迎えた徳島地方史研究会の代表を務める 「埋もれゆく地域の歴史をしっかり掘り起こし、研究成果を社会に還元したい。そんな情熱を持って、地道に取り組んできた」。本年度、創立40周年を迎えた民間団体「徳島地方史研究会」を代表として10年間リードしている。

 10年ごとにまとめている記念論集「阿波・歴史と民衆」の第4集も1月9日に刊行される。今回のテーマは「生業から見る地域社会」。海、山、里における人々の暮らしの中で息づいた生業(仕事)に焦点を当て、地域社会や景観との関連性を論じている。

 「歴史ブームだが、英雄志向だけで終わるのはよくない。歴史の中で本当に大切なのは、人々の暮らし。庶民が台頭して大きく社会が動くという歴史を、研究の中で発見することができる喜びは何物にも代え難い」

 日本史が専門の高校教員。徳島市立高などで教鞭(きょうべん)を執った。教科書で教える知識だけではなく、しっかりとした研究の下地を作っておきたい。そう考え、鳴門教育大学大学院を出て教員になった1988年、同会に入会した。

 もともと初代代表の三好昭一郎さんら高校の歴史教師5人で発足した会。その後、文化の森に県立博物館が開館したり、徳島市立徳島城博物館ができたりしたことで、地方史研究の機運が一気に盛り上がり、学芸員や大学教授、郷土史家らも加わり、会員70人ほどの会に成長した。

 現在は学校現場を離れ、オープンしたばかりの県立鳥居龍蔵記念博物館で専門学芸員を務める。約6万点の資料をどう活用するか、郷土の偉人顕彰に向けて研究に熱がこもるが、最も力を入れたいのは館の利用促進。「遠足で1回訪れるだけでは別世界の出来事。鳥居をもっと身近に感じてもらうため、県民や教育現場に、業績や人物像の啓発をしたい」。地方史研究の専門家として、構想は膨らむ。

 大阪市出身。徳島市上八万町の自宅で妻と中3の長女と3人暮らし。49歳。