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第58回徳島駅伝で2年ぶり30度目の優勝を果たした鳴門市監督・市橋賢治(いちはしけんじ)さん   2012/1/7 14:17
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第58回徳島駅伝で2年ぶり30度目の優勝を果たした鳴門市監督・市橋賢治(いちはしけんじ)さん 高鳴る鼓動を抑えながら、歓喜の瞬間を迎えた。指揮官として味わう初の栄冠に「優勝がこれほどまでにうれしいとは思わなかった」。満面の笑みで選手の輪に飛び込んだ熱血漢は、191センチの長身をくねらせ、4度宙を舞った。

 選手時代、徳島駅伝に20年連続で出場し、33歳で引退するまで13度も頂点を味わった。監督要請を受けたのが2年前。通算29度の優勝を誇る古豪の伝統にプレッシャーを感じながらも「陸上を始めるきっかけになったのが徳島駅伝。ぜひ恩返しがしたかった」。

 初采配の前回、徳島に7分以上の差をつけられ2位。今回のリベンジに「自分と選手との悔しい思いが合わさった」と、ハートの強さを勝因の一つに挙げる。

 堀江南小のときに学年別マラソン大会を3年連続で制し、陸上に目覚めた。卒業文集に「五輪のマラソンで金メダルを取る」と記し、大麻中から鳴門高に進学。多感な時期に出会った監督の熱心さに心を打たれた。「好きな陸上と一生関わりたい」と大体大に進み、教師を志した。

 選手と指導者の二足のわらじを履き、31歳で中距離の自己ベストを更新し全日本実業団陸上に出場。本業では「意欲を高めて個性を伸ばす」との指導方針で赴任先の鳴門工高、徳島農高(現城西高)で陸上部を立ち上げた。5年前に母校に赴任し2009、10年と全国高校女子駅伝出場で手腕を振るった。

 穏やかな性格が一変したのが徳島駅伝の監督業。「選手たちが頑張っている姿を見たら、自然と力が入った」と、観察車から身を乗り出してアドバイスを送った。

 勝利の美酒に酔いしれるのもつかの間、来年の戦略が頭を駆け巡るという。「いろいろ考えながら1年を過ごせるのが何より幸せ」と、徳島駅伝への感謝を口にする。鳴門市大麻町。46歳。独身。