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自主製作映画がモナコ国際映画祭で賞を受けた日下早苗(くさかさなえ)さん   2012/12/31 10:43
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自主製作映画がモナコ国際映画祭で賞を受けた日下早苗(くさかさなえ)さん 10月中旬、モナコ国際映画祭事務局から電話がかかってきた。「報道陣のインタビューがあるので、そのつもりで」。意味が分からず「かけ間違いだと思った」。それが主要賞の一つ「インディペンデントスピリット賞」に輝いた短編映画「LOVE」のノミネート決定の連絡だと気付くまでに時間がかかった。「その上、賞が取れるとは」と驚く。

 プロの映画監督を目指し、米ニューヨークの映画学校で学んでいる。自主製作した「LOVE」は授業の課題で他の学生らとともに製作した通算3作目の作品。花や樹木の色合いを生かした映像の美しさが学校で評判となり、校長らに映画祭への出品を強く勧められた。米国での二つの映画祭でも公式上映されるなど、高い評価を受けている。

 映画好きだった叔母の影響で中学時代、名作と呼ばれる古い映画をよく見るようになった。「大いなる幻影」「天井桟敷の人々」「道」「ベニスに死す」・・・。芸術的な作品に引かれた。

 「外国で映画の勉強がしたい」。その願いをかなえたのは10年前だった。200万円の資金をため、単身イタリアへ。数年の勉強の後、米国に渡り、民間の映画学校に入った。「良い作品をつくる、という目標に向かって製作現場のスタッフとともに突進する。その一体感がたまらない」。ますます映画の魅力に取りつかれている。

 今回の受賞後、ボスニアの劇団主宰者から映画製作の依頼を受けるなど、創作の場は広がりつつある。目指すのは「例えばイタリアの巨匠・ビスコンティ監督のような映像で語ることができる作家。長編映画やオペラ演出にも挑戦したい」。その夢に向け、撮影や編集技術の習得に励む日々だ。徳島市論田町出身、44歳。