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神山町の寄井商店街で「劇場商店街」をテーマにクリエーターの集積を目指す坂東幸輔(ばんどうこうすけ)さん   2013/1/1 10:38
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神山町の寄井商店街で「劇場商店街」をテーマにクリエーターの集積を目指す坂東幸輔(ばんどうこうすけ)さん 「少子高齢化、人口減少時代に本当に必要とされる建築を」。かつて多くの人が行き交った神山町の寄井商店街で、サテライトオフィス進出企業や地元NPO法人グリーンバレーとともに新たな町の姿を描く。建築を通して社会問題と向き合う姿勢は、東京芸術大学建築科在学中からぶれない。

 東京芸大の買い上げとなった卒業制作の建築模型は、吉野川第十堰(ぜき)の可動堰化計画に揺れる古里への思いを込めた作品。吉野川の源流がある高知県本川村(現・いの町)のダムを舞台に、想像の尺度を優に超える巨大構造物への「恐怖」を浮かび上がらせ、それを軽減する建築物を提案した。

 「建築家として社会のために何ができるのかを問われ続けた」というハーバード大学大学院デザインスクールでは、ギリシャの過疎地などの課題に挑む。大手設計事務所から次々に採用の話が舞い込み、明るい未来を描いていた時、リーマン・ショックが起きた。採用中止、リストラの嵐だった。

 不安と焦りの中、思い出したのは、グリーンバレーが中心となって国内外の芸術家を神山町に誘致するアーティスト・イン・レジデンス。月数万円で古民家に住めるというのも魅力的に映った。すぐに大南信也理事長を訪ね、人柄と活動に引きつけられた。

 2010年、母校の教育研究助手に就き、学生を伴って神山町の古民家再生プロジェクトに着手した。東日本大震災の被災地復興にも携わるなど多忙な日々を送るが「神山で過ごす時間は心が休まるのでいつも楽しみ」とほほ笑む。

 神山町で学んだのは、ソフトから始まる町づくりの有効性。優れた建物を造っても使いこなす人がいないというのは全国共通の悩みだ。「神山の事例が町づくりの手順を見直すきっかけになれば」

 徳島市国府町出身、東京都練馬区在住。33歳。