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第59回徳島駅伝で2年連続31度目の優勝を果たした鳴門市監督 市橋賢治(いちはしけんじ)さん   2013/1/7 11:11
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第59回徳島駅伝で2年連続31度目の優勝を果たした鳴門市監督 市橋賢治(いちはしけんじ)さん 栄光のゴールに向かうアンカーの姿を目で追いながら両拳を強く握り締めた。徳島との一騎打ちは接戦を覚悟していたものの、前回の4分10秒差を大きく上回る9分12秒差の圧勝。常勝を求められる強豪チームの指揮官はプレッシャーから解き放たれ「これでぐっすりと眠れる」と口元を緩ませた。

 一般選手が手薄だった前回。鳴門高男子の活躍もあって監督として初の美酒を味わった。その際大きかったのが初日の大量リード。今回はこの経験を生かすとともに「選手を伸び伸び走らせること」を重視。スタート区間から惜しげもなく主力選手を投入し、一気に波に乗った。鳴門高陸上部を率いて6年目。今大会は教え子が半数近い14人に膨れ上がった。

 徳島駅伝には大麻中2年生で初出走。翌年は初日に区間2桁と力を出せず、2度目に起用されなかった。徳島の10連覇を阻み沸き上がるチームの中で勝負へのこだわりや厳しさを身をもって知った。鳴門高1、2年時もメンバーには選ばれたが3日間とも走れずじまい。チームは順調に連覇を重ねても、みじめさから歓喜の輪に加われなかった。「走れない選手のことはよく分かる」。今回は思ってもいなかった貯金にも恵まれ、監督3年目で最多の29人をスタートラインに立たせた。「一人でも多くの選手に優勝の格別な喜びを味わわせてあげたかった」。この気配りに応えたいと、選手は奮い立つのだろう。

 「徳島市がベストコンディションなら互角の争いになっていた」。故障者を抱えながら最終日に巻き返してきた宿敵への敬意も忘れない。2年連続で3日間完全優勝を逃したことには「まだ頑張れると神様が言ってくれている。次回は達成したい」。歓喜のゴールの翌日から来年に向けたスタートラインに立つ。鳴門市大麻町。47歳。独身。