徳島新聞Web

12月19日(火曜日)
2 2
18日(月)
19日(火)
海陽町初の観光大使に選ばれた料理研究家 浜内千波(はまうちちなみ)さん   2013/2/17 11:20
このエントリーをはてなブックマークに追加

 毎月、数百のレシピを考え、本の執筆も多数。今をときめく全国区の料理研究家の元には、企業などから「商品を宣伝して」との声が届く。しかし、「中立でいたい」と宣伝依頼は断ってきた。

 一つだけ例外だったのが、徳島の産品。中でも出身地の海陽町への思い入れは強かった。「地元に恩返ししたいとずっと思ってきた。大使就任で大手を振って地元をアピールできるから、もっと頑張らなくちゃ」。173センチの長身をぴんと伸ばした。

 浅川の漁具店で5人きょうだいの末っ子として育った。「引っ込み思案で部活動にも属さなかった」という女の子が、大阪の短大で料理や栄養学と出合った。卒業後3年間は証券会社のOLとして勤めたが、料理への思いは断ち切れず、会社を辞めて料理の道へ。東京の料理研究所の助手を経て、26歳で料理スクールを開いた。

 ところが、生徒が思うように集まらない。余ったキッチン台では、生徒が卓球をして遊んでいた。苦境で心の支えとなったのは古里。「帰れる場所がある安心感が、頑張れる原動力になった」

 あらゆる面で地道な努力を重ねた。当時は体重が90キロ以上。「太っていては健康的でなく、作る料理にも説得力がない」と1年で40キロもの減量に成功した。素材の味を生かしたレシピ作りにも力を入れ、生徒が集まりだした。

 大使として、阿波尾鶏やブリ、イセエビなどの特産品に加え、町の有機野菜のPRに取り組む。「素材そのものの味がいい物ばかり。今後の高齢化社会ではオーガニックがキーワードだと思うから可能性は十分」と意欲を見せた。

 東京都中野区で夫と2人暮らし。「鶏肉100グラム…」などと寝言でも料理のことをしゃべってしまうのが悩みという58歳。