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開催中の出羽島アート展を企画した牟岐町商工会経営指導員 湊川亨(みなとがわすすむ)さん   2013/3/5 10:01
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開催中の出羽島アート展を企画した牟岐町商工会経営指導員 湊川亨(みなとがわすすむ)さん 3年前、牟岐町商工会に赴任。人口約100人の離島・出羽島を訪れ、昔懐かしい雰囲気にほれ込んだ。魅力を生かせば、過疎の島を元気にできるのではないか。思いをめぐらせるうちに浮かんだのが、昔のたたずまいを残す島に斬新な現代アート作品を組み合わせるという発想だった。

 当初、島民ら関係者の反応はいまひとつ。あきらめず、島民らと地道に対話を重ね、ついに「出羽島アート展」(2月3日~3月31日)の実現にこぎ着けた。盛況のうちに折り返し地点を迎え、「島民の理解があってこそ」と話す。

 徳島県内で初めての試みは、失敗を恐れずに歩んできた人生から生み出されたといっていい。

 海陽町鞆浦で漁師の家に育ち、東京の大学へ。卒業後は大手ファミリーレストランチェーンへ就職した。24歳で年間赤字が3千万円という店の店長に就くと、接客サービスを磨いて1年で黒字化を果たす。別の店でも成果を挙げ、社長から「お前が行っても駄目な店はつぶす」と信頼を得た。

 やりがいを感じる一方、生まれたばかりのわが子の寝顔しか見られない働きづめの毎日に疑問を感じ、27歳で帰郷。県商工会連合会の経営指導員として海南町商工会(現海陽町商工会)に赴任すると、対立しがちなスーパーと個人商店の共存策として、商店の品をスーパーに置く案を打ち出した。最初はゼロだった賛同者を徐々に増やし、定着させた。

 同町宍喰地区の山あいで受け継がれてきた「寒茶」のPRにも奔走。2009年に商品化された。

 「信念があるなら勇気を出して表現するべき。懸命にやって駄目だったら仕切り直せばいい。失敗しても、失敗を知ったことがプラスになる」。いろいろな経験から身に付けた持論だ。

 海陽町四方原で妻と2男1女との5人暮らし。「漁師の息子なのに船酔いする」と笑う57歳。