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第85回選抜高校野球大会で選手宣誓した鳴門高主将・河野祐斗(かわのゆうと)さん   2013/3/23 11:11
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第85回選抜高校野球大会で選手宣誓した鳴門高主将・河野祐斗(かわのゆうと)さん 「大きな勇気と希望の花を咲かせることを誓います」。選手宣誓の大役を終えて割れんばかりの拍手を浴び、表情が一気に緩んだ。「自分の思いを全国に伝えられる貴重な経験。東日本大震災の被災地や、全国で困難に直面している人たちを勇気付けたい一心で宣誓した。百点満点の出来だった」と胸を張った。

 震災が起こった2年前の春、地元の鳴門高に入学。ニュースで被害の深刻さを知り「大好きな野球ができることに感謝し、東北の球児の分まで頑張ろう」と謙虚な気持ちで日々の練習に取り組んだ。昨春の選抜大会では、石巻工高(宮城)の阿部翔人主将の堂々とした宣誓を間近で見て感動した。宣誓文に「感謝」や「絆」を入れたのは、震災後ずっと大切にしてきた言葉だからだ。

 野球に打ち込める環境を与えてくれた家族に感謝を忘れない。小学1年から野球を始め、元高校球児の父幸政さん(43)に手ほどきを受けた。ベスト8入りした昨春の選抜大会には家族全員が応援に駆け付けた。「甲子園は支えてくれる人に恩返しできる場所。声援が力になった」。選手として甲子園出場を果たせなかった父に、聖地の土を手渡した。

 「とにかく1番が好き」と幸政さんが驚くほどの負けず嫌い。小学校時代は運動会の徒競走で1等賞にこだわり、野球の試合に負けたときは大泣きして帰ってきた。今大会の抽選会でも狙い通りの「1番」を引き当てた。

 打っては中軸を担い、守っては遊撃手として堅守で投手をもり立てる。一見クールに見えるが、森脇稔監督は「今どき珍しいガッツマン」と評する。白球への熱い思いを胸に、今春も「固い絆」で結ばれた仲間とともに快進撃を誓う。

 鳴門市撫養町で両親と弟の4人暮らし。17歳。