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香港でハウスイチゴを栽培する山形文吾(やまがたぶんご)さん   2013/3/27 11:01
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香港でハウスイチゴを栽培する山形文吾(やまがたぶんご)さん 「徳島の技術で栽培した農産物が世界で通用することを証明したい」。鳴門市大津町で4代続く果樹農家が、世界屈指のビジネス都市・香港でハウスイチゴの栽培に挑む。

 鳴門工業高校を卒業と同時に就農した。「幼いころから休日は家の手伝い。農家になることに迷いはなかった」。主力のナシをはじめ、丹精込めて作った果物を多くの人に食べてもらう喜びにのめり込んだ。

 イチゴ栽培を始めたのは20歳のとき。初めは味に満足できなかったり、収穫量が思うように伸びなかったりと失敗が続いた。「どうせ作るなら、とびきりいいイチゴを作りたい」。負けず嫌いに火がついた。

 栽培する品種を見直し、さまざまな栽培法に挑戦した。カツオや海藻のエキスが入った肥料を葉に与えて、ウチノ海で水揚げされたカキの殻を砕いて培地に混ぜる。先入観を捨てると次々にアイデアが浮かんだ。

 「この味と栽培のノウハウがあれば世界で戦える」。そんな思いを強くしていたとき、東京の商社から香港進出の誘いを受けた。やはり迷いはなかった。

 TPPも前向きに捉える。「世界を舞台に働くお父さんになって、息子に自慢したいから」。香港での栽培が成功すれば中国や、加工用イチゴの栽培が多い米国での展開を考えている。

 鳴門の農園では、恒例のイチゴ狩りが始まった。車いすの人にも楽しんでもらえるよう、通路の幅を広げるなど工夫を凝らしている。子どもからお年寄りまで、摘みたてのイチゴを口に入れた瞬間の笑顔が何よりのやりがいだ。

 趣味は小、中、高校と打ち込んだ野球。地元の大津西スポーツ少年団でコーチを務める。36歳。