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弁護士から最高裁判事に就任した木内道祥(きうちみちよし)さん   2013/4/27 11:46
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弁護士から最高裁判事に就任した木内道祥(きうちみちよし)さん 「一人の裁判官として事件を真剣に考え、議論を尽くして結論を出す。その姿勢ができるだけ分かるようにしたい」。38年間の弁護士活動でも信頼を第一にしてきた。最高裁判事としての抱負は「国民の信頼を得る」こと。憲法の番人という重責を担っても心構えは変わらない。

 倒産事件と家事事件のエキスパート。大阪弁護士会や日弁連では、関連する委員会の取りまとめ役を歴任した。

 1995年の阪神大震災の時は大阪に住んでいた。想像を絶する被害に「弁護士は役に立たない」と率直に感じた。それでも直後から被災者の法的救済に奔走。倒壊した借家の権利関係などの相談に応じるため、弁護士会の中心になって避難所に弁護士を派遣し、被災者の声をくみ取った。

 神戸市の進学校から東大に進み、1960年代後半にはキャンパスで吹き荒れる学生運動の風を目の当たりにした。「あの時代ですから、みんな多かれ少なかれ参加していた。私もそうです」。在学中に司法試験に合格し、「組織に属するのではなく、独立して仕事ができる」と弁護士の道を選んだ。

 座右の銘は「成功体験に縛られてはいけない」。前例踏襲だけではない柔軟な思考を常に心がける。愛読書は市井の人々の暮らしを情感豊かに描いた北原亜以子の時代小説。好きな歴史上の人物には「どっちも一筋縄ではいかないところが面白い」と、勝海舟と福沢諭吉の名前を挙げた。妻と2人暮らし。徳島市出身。65歳。