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パソコンが認知症患者の話し相手になる音声対話システムを開発した徳島大学大学院の教授青江順一(あおえじゅんいち)さん   2013/7/11 10:47
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パソコンが認知症患者の話し相手になる音声対話システムを開発した徳島大学大学院の教授青江順一(あおえじゅんいち)さん 「コミュニケーション不足になりがちな高齢者をコンピューター技術で支えたい」。パソコン画面に映し出される人物のアニメーションが、認知症患者の話し相手になる音声対話システムを開発した。将来的には、徘徊の引き止めや見守りシステムなどへの活用も見込まれ、介護や医療の現場から期待がかかる。

 3年にわたる千葉労災病院との共同研究で、1万6千に及ぶ質問をデータベース化し、実験を繰り返した。当初は「患者が見向きもしてくれなかった」というが、成功の鍵となったのは話し相手となるアニメの人物の容姿。試行錯誤を重ねた結果、孫をイメージさせる男の子を登場させると、「家族も知らないへそくりの話まで飛び出すほど会話が弾んだ。表情も明るくなり、笑い声も起こった」。

 認知症患者に限らず、話し相手のいない高齢者のケアなど応用範囲は広い。「日本は高齢化の進行が非常に早いが、やがて世界の多くの国が同じ問題に直面する。ただ嘆くのではなく、解決策となる技術を海外に売り出すチャンスと捉えたい」と意欲を見せる。

 1976年に徳島大大学院修士課程を修了し同大助手に。「コンピューターによる言葉の理解」を一貫した研究テーマとし、89年にはダブル配列法と呼ばれる革新的な高速検索技術を考案した。これを基盤に、人間とコミュニケーションが取れる人工頭脳エンジンの研究を進めてきた成果が評価され、2011年には産学官連携功労者表彰(文部科学大臣賞)を受賞。「井戸端会議ができるフレンドリーなマシンが目標。人間らしさを加味してコンピューターの持つ“堅さ”を崩したい」と情熱を傾ける。

 阿南市出身。院生時代からジョギングが日課で「走らないと体も頭もすっきりしない」。徳島市住吉2の自宅で妻、三男と暮らす。62歳。