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「やまびこの詩」の実行委員長を務めた吉野川高校3年森本綾菜(もりもとあやな)さん   2013/9/8 11:25
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「やまびこの詩」の実行委員長を務めた吉野川高校3年森本綾菜(もりもとあやな)さん 障害者の願いや悩みを込めた詩の朗読会「やまびこの詩(うた)」の初代実行委員長として、イベントの企画や準備に奔走した。8月下旬、徳島市で開かれた朗読会は観客に大きな感動をもたらして無事終わり「大役を果たせてほっとした」と白い歯をこぼす。

 生まれつき右耳が聞こえない。成長してから突発性難聴で左耳の聴力も下がり、鳴門第一中学時代は思うようにコミュニケーションが取れないことに気持ちが沈むこともあった。

 そんな中学2年のころ、「やまびこの詩」の前身で、障害者の詩を歌にして届ける「やまびこコンサート」と出合った。中学のボランティア部で活動していたことからスタッフとして参加。障害者の思いを生き生きと伝える詩が、音楽に乗って胸に迫ってきた。

 「価値観が大きく変わった気がした。障害があってもこんなに豊かな表現ができることに、本当に勇気づけられた」と振り返る。

 以来、高校2年までの4年間、中学時代の友人らとコンサートの運営を手伝った。ところが2012年12月、資金難からコンサートは30年の歴史に幕を閉じることに。強い衝撃を受けたものの、「もし復活できたら必ず参加しよう」と固く心に誓った。

 それから8カ月。「障害者の思いを伝える場を残してほしい」という県民の願いを受け、コストを抑えた朗読会という形で新たなスタートを切った。「若い力で新しい第一歩を踏み出して」とスタッフから要請されて実行委員長に就任。「思っていた以上に早い復活に感激した。初代委員長を務められたことも誇り」と喜ぶ。

 朗読会を終え、実行委員会の同年代の友人らと約束したことがある。「いつの日か、私たちの手でコンサートの形に戻したい。その日まで、このイベントにずっと関わっていきたいですね」

 男2人、女4人の6人きょうだいの長女。読書が趣味の17歳。鳴門市撫養町斎田。