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徳島地方・家庭裁判所長になった深見敏正(ふかみとしまさ)さん   2013/9/26 10:09
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徳島地方・家庭裁判所長になった深見敏正(ふかみとしまさ)さん 裁判所を頻繁に利用する市民は少ない。「裁判所を訪れる人にとっては特別な事件だという気持ちで、一つ一つの事件に真剣に対応していきたい」。着任会見で開口一番にこう述べ、建て替えが進む徳島地・家裁を身近な裁判所にしたいとの意欲をみせた。

 裁判官として、常に誠実に事件と向き合ってきたと自負している。任官間もない頃に一人で担当した刑事事件では、執行猶予付きか実刑かで悩み続けて神経性胃炎になったこともあった。

 大半を民事畑で歩み、大阪地裁時代には、太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍指揮官が集団自決を命じたとする大江健三郎さんの著書「沖縄ノート」などの記述をめぐる訴訟を裁判長として担当。教科書検定意見の問題とも絡んで注目を集め、集団自決に軍が関与したと認めた判決はもちろん、沖縄県での証人尋問なども大きく報道され、強く印象に残っているという。

 都市交通土木を学びたいと思っていた高校3年の夏、物理の電気分野が嫌いで方針転換。「当時、高橋英樹さん主演のテレビドラマ『判決』を見て、法律家を目指そうと思ってね」と笑顔で振り返る。京都大学法学部在学中の1979年に司法試験に合格し、「一番自分の肌に合う」と裁判官の道を選んだ。

 40代前半までに47都道府県全てに足を運んだほどの旅好きで、旅先の風景を写真撮影するのが趣味。17日に徳島へ赴任してから早速、四国八十八カ所霊場の1番札所から5番札所まで歩いた。「遍路道を歩くと歴史の重さも感じられる。もちろん結願しますよ」

 長野地裁の刑事裁判官を務める妻や1男1女と離れ、徳島市内の官舎に単身赴任。愛知県出身。57歳。