徳島新聞Web

10月21日(土曜日)
2 2
21日(土)
22日(日)
プロ野球・ソフトバンクホークスから2位指名を受けた海部高出身投手森唯斗(もりゆいと)さん   2013/10/26 11:56
このエントリーをはてなブックマークに追加

プロ野球・ソフトバンクホークスから2位指名を受けた海部高出身投手森唯斗(もりゆいと)さん 24日のドラフト当日。スカウトから指名の連絡を受ける橋本真吾監督の声に耳を傾けているときはまだ笑顔だった。やがて大きくうなずく監督から祝福の声を掛けられると机に突っ伏して泣いた。「いろんなことが頭に浮かびました」。鼻声のまま取材に応じた。

 浅川小1年で野球を始めてから16年。将来の夢は「プロ野球選手」と書き続けた。海部高3年の夏は2試合で救援して無失点と好投したが、3回戦で敗退するなど全国とは無縁。それでもあきらめたことはなかった。発奮したのは三菱自動車倉敷オーシャンズで2年目の2011年。先輩の田原誠次投手が巨人から7位指名を受けた。身近な存在が夢の世界へ。「自分にもチャンスはある」。エースの抜けたチームで投手陣を先導する立場にもなった。「誰か、ではなく自分がやらなければ」。走り込みや筋力強化など体づくりに精力的に取り組んだ。

 先発に転向した昨夏、広島2軍相手に8回2失点と力投。4年目の今年は都市対抗野球2次予選で45回1/3を投げ抜くなど主戦として奮闘したが試練も味わう。本戦出場にあと一歩と迫った第1、第2代表決定戦と立て続けにサヨナラ負けの瞬間をマウンド上で迎えた。しかし補強選手として出場した初の全国舞台で2回無失点と好投。期待をかけ、ときに厳しく接した橋本監督も「よく努力した。まだ伸びしろはある。頑張ってほしい」。森の涙の理由を知るだけに隠れて目頭を押さえた。

 技術課勤務で機械の保守を担う。指名を待つ間に職場の上司や同僚が様子を見に来た。「顔色悪いぞ」「もうちょっとの辛抱や」。明るく「大丈夫です」と応えた強気が持ち味でもあり、そうして慕われる人柄が社会人として成長した証しでもある。海陽町出身。21歳。祖父母、両親、妹、海部高捕手の弟の7人家族。