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中国「空海の道」たどって30年になる高野山清凉院住職静慈圓(しずかじえん)さん   2013/12/22 11:16
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中国「空海の道」たどって30年になる高野山清凉院住職静慈圓(しずかじえん)さん 1200年余り前に弘法大師・空海が唐の長安(現・西安)を目指して歩んだ中国の入唐ルートを1984年からたどり続けている。11月下旬にも学僧や信者でつくる巡礼団とともに現地を訪問。ルート沿いの空海ゆかりの寺で精進料理の歓待を受けるなど交流も深め「日中関係は政治的に冷え込んでいるが、こんな時こそ民間同士で交流を続けることが大事」と訴える。

 約2400キロに及ぶ入唐ルートを40回以上訪れた。背中に「空海像」と彫られた明時代の像がある蘇州郊外の寺など空海ゆかりの21カ寺を見つけ、四国八十八カ所霊場にちなんだ巡拝の道も実現させた。「空海は中国の漢字や古典全般に深い素養があり、漢字文化圏である日本と中国の架け橋になった巨人。巡拝の道をたどり、空海の足跡を多くの人に知ってもらうことで、日中友好につながれば」と力を込める。

 吉野川市の医光寺の長男として生まれ、川島高校から高野山大学に進学した。大学院を経て同大で空海の思想や行動を文献などから研究。副学長も務め、2009年に退官した。

 書画家、合気道師範、高野山霊宝館館長と多彩な顔を持つ。1988年に日中の仏教関係者による空海研究会を立ち上げ、中国で学術シンポジウムを開催。高野山で学んだ書や仏画の腕を生かし、密教や空海にちなんだ個展を現地で開いている。こうした活動もあって2011、12の両年には密教研究者が集まった国際学会が中国で開かれるなど、現地で密教や空海への関心が高まりつつある。

 日中両国を股に掛けた活動は空海をほうふつとさせるが「空海を頭の上に頂いているからこそ、私も中国でいろんな活動ができる。空海がそれだけ偉大だということですよ」と笑った。

 3人の子どもは独立し、和歌山県高野町で妻と2人暮らし。講演などで年2、3回、帰省している。71歳。