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とくしま社会運動資料センターの設立準備を進める久積育郎(ひさづみいくお)さん   2014/1/10 10:11
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とくしま社会運動資料センターの設立準備を進める久積育郎(ひさづみいくお)さん 「1人が5歩進むより、10人が1歩ずつでも進む方がいい」。高校時代に見た映画「キューポラのある街」で主役を演じた吉永小百合のせりふが人生の道しるべとなった。徳島大学時代に学生運動に身を投じ、その後40年以上にわたり、県内の労働運動を引っ張ってきた。

 近年は格差社会が進行。戦後の貧しかった時代とは対照的に、人と社会の結び付きや人間関係が希薄になっていることに心を痛めていた。「徳島の社会運動の軌跡から、若者に次世代を生きるヒントをつかみ、社会と関わる大切さを学んでほしい」。そんな思いからとくしま社会運動資料センター(仮称)の設立を考えついた。

 共に活動してきた仲間は高齢化し、労働運動の記憶が風化していく中、センター設立を自身の活動の集大成と位置付ける。「残された時間は短く、今がラストチャンス」と力を込める。

 大学在学中は全学共闘会議(全共闘)の一員として、各地の大学紛争やデモに参加。大学中退後、県労働組合評議会(県評)に入り、労働争議の解決や企業の労働組合結成に汗を流した。そこから学んだのが「人間の尊厳」と「支え合うこと」の大切さ。この教訓を胸に、県労働者福祉協議会長や県勤労者福祉ネットワーク理事長を務め、反貧困キャラバンやフードバンク、パーソナル・サポート・センターなど多岐にわたる活動に取り組んできた。

 忙しい活動の合間に、中国・丹東市の労働組合や内モンゴル自治区の中学校との交流を長年続けている。「ライフワークみたいなもの。常にいろんな人と関わり合いたいんだ」。長男と次男は独立し、徳島市南佐古七番町で妻と2人暮らし。66歳。