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トロムソ国際映画祭で最高賞を受賞した三好市出身の映画監督蔦哲一朗(つたてついちろう)さん   2014/2/20 11:30
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トロムソ国際映画祭で最高賞を受賞した三好市出身の映画監督蔦哲一朗(つたてついちろう)さん 「映画監督として成功できるかどうか、勝負の作品だった」。強い意気込みを持って、古里・三好市で長丁場のロケを敢行した作品「祖谷物語-おくのひと」。ノルウェーのトロムソ国際映画祭で最高賞のオーロラ賞に輝き、「多くの人に作品を知ってもらうことができた」と表情を緩ませる。

 2011年秋に始まったロケは季節が一巡した翌夏にクランクアップ。季節ごとに美しい表情を見せる祖谷の風景にじっくりと向き合い、「雪の白や木々の緑など自然の色がきれいに写る」とあえてフィルムカメラを回した。「ロケは祖谷の中でもえりすぐりの場所で行った。各場面の背後にある風景にも注目してほしい」と言う。

 三好市から制作費約900万円の補助を受けたほか、エキストラ出演やスタッフへの食事などで住民にも協力してもらった。「受賞できたのは、本当に皆さんのおかげ」と古里の温かさに感謝する。

 池田高校から東京工芸大学に進学。学園祭で披露した短編映画が、「パッチギ!」で知られる映画監督井筒和幸さんに「面白い」と褒められ、監督の道を志す。卒業後は映写技師をしながら環境問題などの短編を製作。「祖谷物語」は長編デビュー作となった。

 池田高校野球部の故蔦文也元監督の孫。だが、祖父との思い出はほとんどなく、「近くのプラモデル店に自転車で連れて行ってもらったことぐらい」。「攻めダルマ」と呼ばれた祖父の人生を知り、業績を記録するために、現在祖父のドキュメンタリーを製作している。

 東京都中野区の一軒家で仲間5人と暮らす。29歳。