徳島新聞Web

10月18日(水曜日)
2 2
18日(水)
19日(木)
被災地につえを贈る活動を始める徳島ゆかりの三味線奏者駒幸夫(こまゆきお)さん   2014/6/30 13:24
このエントリーをはてなブックマークに追加

被災地につえを贈る活動を始める徳島ゆかりの三味線奏者駒幸夫(こまゆきお)さん 郷里の岩手県釜石市が東日本大震災で壊滅的な被害を受けたというニュースは、活動拠点の米国ニューヨークで知った。82歳の母が津波にのまれ、多くの友人も命を落とした。岩手県沿岸部の仮設住宅で三味線による激励ライブを始めて丸3年。今度は、仮設暮らしの高齢者に手作りのつえを贈る支援に乗り出した。

 「音楽で楽しんでもらうのは一区切り。つえを突いて散歩に出掛け、健康になってもらおうと考えた」

 つえに加工する木材の調達は、岩手と徳島の知人に頼んだ。徳島は2002年から7年間暮らした土地。「第二の古里にも支援を呼び掛けたかった」と話す。

 19歳で上京後、民謡歌手や津軽三味線奏者として活躍。徳島移住のきっかけは01年に鳴門市のホテルに半年間泊まり込み、ステージに出演していたことだった。そこで出合ったのが阿波踊り。「これほど艶のある踊りは見たことがない」と一瞬で引き付けられた。

 ショーを見に来ていた有名連の連員とも知り合いになり、三味線の指導を請われて移住を決めた。

 「ぞめきのリズムはいろんな音楽と融合できる。阿波踊りを日本が誇る文化として世界に広めたいと思った」と振り返る。

 08年からニューヨーク国連国際学校で三味線を教えながら、各地の演奏会で阿波踊りを紹介。仮設住宅でのライブでも、最後の締めくくりは阿波踊りをお年寄りに楽しんでもらった。

 バイタリティーにあふれ、次から次へと企画を打ち出すアイデアマン。つえを贈る支援の次に計画しているのは、沿岸部に阿波踊り協会を設立することだ。「阿波踊りのルーツとも言われる徳島市の津田の盆(ぼに)踊りは、漁師たちの霊を慰める踊り。被災地の鎮魂の踊りとしてもふさわしいんじゃないでしょうか」

 本名駒林幸雄。59歳。