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全国ハンセン病療養所入所者協議会の会長に就任した森和男(もりかずお)さん   2014/8/25 11:27
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全国ハンセン病療養所入所者協議会の会長に就任した森和男(もりかずお)さん 高松市沖の離島大島にある国立ハンセン病療養所「大島青松園」で半世紀以上、療養生活を送っている。前任の神美知宏さんが80歳で急死し、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の会長に就いた。全国13カ所の療養所入所者1804人を束ねることになり、「療養所を医療機関として維持し、将来構想を促進する。入所者の人権を守る仕組みを確立したい」。落ち着いた口調に苦労を重ねた経験の厚みがにじみ出ている。

 神さんは姉キヨコさん(80)の夫で、義理の兄に当たる。青松園でも共に生活したことがあり、「彼は倒れる間際まで全療協運動に取り組んだ。『市民の協力あってこその人権回復だ』とよく言っていた」と振り返る。義兄の遺志を受け継ぎ、入所者と市民との交流を進めていく考えだ。

 1949年に9歳で6歳年上のキヨコさんと実家を離れ、青松園に入所した。「新しい薬で治療を受け、治れば1年ぐらいで帰れるだろう」と思っていた。しかし、島では自由を奪われ、隔離の現実を目の当たりにする。長島愛生園(岡山県)の高校を卒業し、「社会に出たい」と島を離れて大阪市立大に進学。69年に大阪の商社に就職したが、病気だったことを隠しての社会生活は「仲間との交流を避け、精神的にしんどかった」。71年には病気が再発して島に戻った。

 青松園の自治会長を通算5期務め、2010年6月からは徳島県人会長として入所者の世話役を担う。700人以上いた入所者は減り続け現在は77人。平均年齢は82歳(全国平均は83・4歳)に達した。隔離政策による被害からの回復を掲げたハンセン病問題基本法が09年に施行されて5年。「高齢化で残された時間は少ない。基本法を絵に描いた餅にしないよう振興策を具体化させたい」。鳴門市出身。74歳。