徳島新聞Web

12月18日(月曜日)
2 2
18日(月)
19日(火)
創立60周年を迎える阿波学会会長石田啓祐(いしだけいすけ)さん   2014/11/15 11:08
このエントリーをはてなブックマークに追加

創立60周年を迎える阿波学会会長石田啓祐(いしだけいすけ)さん 徳島にはどのような動植物がいるのか、住民はどんな暮らしをしているのか、歴史はどうだったか。広範な調査を通じ地域の実態解明に努めている阿波学会は12月で創立60周年を迎える。「長く続けるのが目的ではない。携わる人が自発的に活動してきた結果だろう」

 岐阜県八幡町(現郡上市)生まれ。信州大大学院を修了した24歳の春から徳島大で勤め、現在は同大学院教授として地質学の研究に取り組む。「学生時から鷲敷や平谷(現那賀町)に泊まり込んで調査してきた。徳島には来るべくして来たのだと思う」と笑う。

 徳島に移り住んだのとほぼ同時期に阿波学会に加わり、2013年5月から17代会長を務める。学会の柱である総合学術調査は、100人規模の研究者らが対象地域を訪れ、地元住民や行政も協力して地域の姿に迫る。関係者の協働によって成り立つ全国でも例を見ないスタイルだ。「研究者は地域のことを理解でき、地域にとっても地元の宝の価値を再認識できる。補い合っていいものになっている」と胸を張る。

 旧50市町村単位の調査は一巡し、13年度からは2巡目に入った。「これまでは県内の発見を県内で伝えてきたが、今後はいかに世界に開かれたものにしていくか。次代を担う人材も育てていきたい」
 地質学の研究では、予測を基にフィールドワークを重ね理論を裏付けていく。研究で育んだ考え方は私生活にも及ぶ。趣味の釣りもそうだ。「気象や魚の生態を予測し、狙い通りに釣れるとうれしくてうれしくて」。少年のような表情を浮かべた。

 3人の子どもは巣立ち、妻と愛犬とともに徳島市で暮らす。60歳。