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徳島地検の検事正になった永村俊朗(ながむらとしろう)さん   2015/7/23 13:07
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 徳島地検の検事正になった永村俊朗(ながむらとしろう)さん 任官28年目で初めて四国に赴任した。「あっという間に過ぎてしまった。だいぶん年を取ってきたので、検事として最後の奉仕をしたい」と淡々と意欲を語る。

 取り調べが好きになれず、検事から弁護士に志望を変えようとした司法修習生時代。「(検事になるのは)間違いないな」と差し出された教官の握手に応じたことから検事になった。「社会のために」と正義感に燃える過度な思い入れはなかった。「凝り固まった気持ちのなさが逆に良かった。今は天職だと思っている」

 2007年、東京地検でパロマ工業製のガス瞬間湯沸かし器の事故による業務上過失致死傷事件を担当。「1980年代から亡くなった方がいた。企業がどのような対応をしたのか捜査を尽くし、事実を確定するのに苦労した」と振り返る。

 起訴した事件の公判で、実刑が言い渡された被告人から「ありがとうございました」と言われる瞬間が「検事冥利に尽きる」と話す。「否認している被疑者と心が通じ合えることもある。過去の自分の経験を後進に伝えたい」と若手の育成にも力を注ぐ方針だ。

 趣味は映画鑑賞。ジャンルを問わず、BS放送の映画番組を録画して、年間300本以上見る。着任日前日に徳島入りし、早速、阿波尾鶏と日本酒を味わった。「休日にレンタカーで風光明媚な土地を回り、自然を堪能したい」

 座右の銘は、父親から言い聞かされた「1人の100歩より100人の1歩」。子どものころから胸に刻んでいる。熊本県出身の58歳。