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リオ五輪出場が決まった大塚製薬のマラソンランナー伊藤舞(いとうまい)さん   2015/9/3 11:15
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 ゴールして真っ先に河野匡監督の元へ駆け寄り、笑顔で抱き合った。「苦しい時期をずっと支えてもらった。これまでゴール後に笑顔で会うことはあまりなかったが、入賞した今回はやっと笑えた」と、感謝の言葉を繰り返す。

 北京で8月30日に行われた世界陸上女子マラソンで日本勢最高の7位に入り、リオデジャネイロ五輪行きの切符をつかんだ。前回出場した2011年の大邱大会では激しくペースを変える海外勢に付いていけず、日本勢最下位の22位。その後も記録は思ったようには縮まらず、翌年の夏には、練習中に吐き気をもよおすなど、体調不良や故障にも再三、悩まされた。

 「もう一度、世界で走りたい」という夢を心身両面で支えてくれたのが大塚製薬のスタッフ。体調不良の原因が食物アレルギーと分かってからは寮の調理スタッフらが特別メニューでサポートした。「初めての五輪出場が決まり、恩返しができた」と考えている。

 京都橘高で陸上を始めた。デンソーを経て2009年、女子陸上部が発足した大塚製薬へ。当時、五輪はまだ漠然とした憧れの対象だった。シドニー五輪代表の犬伏孝行・男子陸上部監督らの背中を見て走るうちに「いつか私も世界最高の舞台へ」との思いを抱くようになった。

 スピードに秀でているわけではなく、持ち味は粘り。終盤になっても持ちこたえられる理由は「マラソンが好きだから」と笑う。「好きだからしんどい時期も、今回のレースも乗り切ることができた。走っているときが自分が最も輝いているとき」

 リオデジャネイロ五輪まで11カ月。「夢の舞台に立てる幸せを胸にしっかり準備をしたい」と意欲を新たにする。奈良県出身で鳴門市在住。31歳。