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徳島大病院長に就く永廣信治(ながひろしんじ)さん   2016/2/10 10:38
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徳島大病院長に就く永廣信治(ながひろしんじ)さん 「医療は医師一人でできるものではない。病院運営も、周囲の医師や看護師らと連携しなければ良いものにならない」。目尻の下がった柔らかな表情の中に、心(しん)の強さがのぞく。病院運営のあるべき姿を、信念を持って言葉にする。

 大学病院を取り巻く環境は厳しい。国からの大学運営費交付金は減り、新たな収入源の確保に迫られている。さらに人員の不足から、大学病院が担う地域への医師派遣機能が弱まっているとの指摘もある。

 課題の解決には、若い人材の育成が何より必要だと説く。医学部卒業後の臨床研修の充実や、近隣病院と連携した若い医療者同士の交流を目標に掲げ、「病院の活力を上げることが、レベルの高い医療の提供につながるはず」と話す。

 専門とする脳神経外科学を志したきっかけは、中学3年時にさかのぼる。所属していた柔道部の後輩が高校生との練習中に頭を打ち、集中力が続かない障害が残った。未然の防止や適切な対応ができなかったことを悔い、「同じような症状に苦しむ人を助けたい」と思った。

 1997年に徳島大医学部教授に就いた後は、脳卒中センターの開設に尽力し、患者の社会復帰を支援してきた。高次脳機能障害に苦しむ患者やその家族と、自治体やリハビリ施設とを結ぶネットワークも整えた。

 モットーは、柔道の創始者である嘉納治五郎の言葉「精力善用、自他共栄」。自分の力を最大限に生かし、自分も他人も共に進歩することを目指す。病院運営にも通じる言葉で「『自分なんて』と思わないでほしい。一人一人の頑張りが患者や同僚のためになる」と言う。

 3人の子どもは独立し、徳島市上八万町西山で妻民子さん(64)と2人暮らし。熊本市出身。64歳。