徳島新聞Web

10月18日(水曜日)
2 2
18日(水)
19日(木)
東証1部上場を果たした那賀町出身のメディアドゥ社長藤田恭嗣(ふじたやすし)さん   2016/2/25 10:53
このエントリーをはてなブックマークに追加

東証1部上場を果たした那賀町出身のメディアドゥ社長藤田恭嗣(ふじたやすし)さん 上場通知書贈呈式に出席するため訪れた東京証券取引所内の電光掲示板に「1部上場 メディアドゥ」。式典会場に向かう途中、掲示板に気付いて足が止まった。「感慨深いね」と思わず声が漏れた。

 携帯電話販売などを手掛けるメディアドゥを設立してから17年、その前に立ち上げた会社を入れれば20年。のんびりした古里・那賀町木頭地区とは別世界の、生き馬の目を抜くような厳しいIT業界で経営トップとして闘ってきた。一流企業のステータスを手にし「やっとここまで来れた」。式典で記念の鐘を打ち鳴らし、苦労をともにした役職員と喜びを分かち合った。

 スマートフォンやタブレット端末で見る電子書籍市場の将来性が高いとみて、いち早く参入。先見の明があり、事業は急成長を遂げた。一方で過疎化が著しい古里の再生にも意欲を燃やす。2007年にメディアドゥの木頭事業所、13年には、木頭ゆず商品の製造販売会社「黄金の村」を木頭地区に設立した。

 地元貢献への強い思いは亡き父の影響だ。旧木頭村で助役を務めていたが、細川内ダム問題をめぐって村が混乱。「責任を取る」と遺書を残し、自ら命を絶った。「おやじは村を持続可能な自治体にしようと願っていたはず。しかし、今はまだ10段階で1か2のレベル。僕が60歳になるまでに実現したい」と力を込める。

 東証1部への上場も「身近に頑張っているやつがいる」と地元の刺激になればと期待する。「僕だけでできなかったこと、地元の人だけでできなかったことが、互いに同じ夢を見て連携することで実現する。そういう世界をつくっていきたい」。東京都品川区で暮らすが、年10回ほどは母の暮らす実家へ戻る。42歳。