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遺伝子改変ブタを容易に作る方法を確立した徳島大先端酵素学研究所助教竹本龍也(たけもとたつや)さん   2016/10/2 14:58
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遺伝子改変ブタを容易に作る方法を確立した徳島大先端酵素学研究所助教竹本龍也(たけもとたつや)さん ブタの遺伝子を簡単に改変する方法を、世界で初めて確立した。ブタと人間は内臓の構造がよく似ており、「がんや糖尿病などの病態をブタで人工的に作ることで、医学研究が大きく進むだろう」とみる。

 専門は発生生物学。最初は一つの細胞だったものが、なぜ筋肉や神経のような別物になるのかを研究している。実験にはマウスを使うが、研究に必要な受精卵の遺伝子改変には高度な技術と時間が必要だった。

 「もっと簡単にできないか」。思い付いたのが、生物学者にとってはなじみの深い「エレクトロポレーション法」(EP法)の活用。細胞に電圧をかけ、膜に穴を開けて物質を加える手法で、培養細胞や胚にDNAを入れる作業などで頻繁に使われていた。

 「受精卵も細胞なんだから、改変に必要な分子を注入できるはず」。EP法を受精卵に使うなど思いもしなかった生物学界の概念を覆すその読みが、見事に当たった。昨年、EP法を使った遺伝子改変にマウスで成功し、マウス以上に改変が難しいブタでも試行錯誤の末に成功させた。

 兵庫県出身。大阪大、同大学院修士課程修了まで専門は化学だった。しかし、数字や図表と向き合ううちに「生きているものを研究したい」との思いが募り、同大学院博士課程から生物に転向した。異色の研究歴だが、「別分野を勉強したことで、他の生物研究者にはない視点があるかもしれない」と笑う。

 「実験結果が思い通りであればうれしいし、そうでなくても『生命は何と奥深いのか』とまた違った感動がある」。生物の魅力にどっぷりと漬かっている。

 徳島市八万町で妻(38)と小学3年の長女(8)との3人暮らし。39歳。