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徳島弁護士会の会長に就いた山本啓司(やまもとけいじ)さん   2017/4/2 14:25
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徳島弁護士会の会長に就いた山本啓司(やまもとけいじ)さん 性犯罪や少年犯罪など刑事事件の厳罰化が進む現状を疑問視し、「犯罪防止には量刑の重さではなく、社会的支援の方が重要だ」と訴える。多様な意見をまとめ、問題提起につなげていく考えだ。

 法律家を志すようになったのは東京大在学時。当初は興味が持てなかった法律関係の講義が、学んでいくうちに面白く感じるようになった。組織に属するより個人で社会に貢献しようと弁護士の道を選び、1996年、司法試験に合格した。

 2008年から徳島B型・C型肝炎弁護団の事務局長を務める。肝炎訴訟の弁護団は全国組織があるが「地元の感染者を1人でも多く救いたい」との思いがある。これまでに提訴した37人のうち、訴訟中を除く32人が国と和解した。「救済された感染者はまだ氷山の一角。提訴者を増やすことも、われわれの使命」と力を込める。

 「話をよく聞き、依頼者を理解する」のが信条。ある離婚絡みの調停では慰謝料が請求できないという結果に終わったが、依頼者から「自分の状況を理解してくれてうれしかった」と言われた。「仕事に満足してもらえた時、喜びを感じる」

 全国各地の中国残留孤児が国家賠償を求めた訴訟に携わった経験も印象に残っている。徳島弁護団の一員として県内の孤児の窮状に接し、訴訟を進める傍ら、国に生活支援を求める陳情活動を行った。国は孤児への支援策を決め、訴訟は取り下げられた。「政治的解決に至り、この仕事をやっていて良かったと思えた」と振り返る。

 週2、3回、仕事帰りにプールで泳ぐのが習慣だ。「もやもやした時の気分転換に最適。水には癒やし効果があるのかなあ」と笑みを浮かべた。徳島市内で妻と娘2人との4人暮らし。46歳。