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徳島県医師会の健康相談
変形性膝関節症   2015/1/31 11:07
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変形性膝関節症 膝に激痛が走る

 【質問】60代前半の男性です。10年ほど前から、ウオーキングをしているときに少し膝が痛むことはあったのですが、最近、たまに膝が抜けるような感覚とともに激痛が走るようになりました。しばらく安静にしていると治まるのでそのままにしていますが、考えられる病気などはありますか。また、かなり前からグルコサミンやコンドロイチンが入った市販の錠剤やドリンクを飲んでいますが、効果はあるのでしょうか。

 県立中央病院整形外科(徳島市蔵本町1)
 江川洋史部長

 早めに整形外科受診を

 【回答】膝関節の痛みの原因は種々ありますが、60歳以降の比較的高齢の方で明らかな外傷が契機でない場合は、退行性変化(加齢による使い傷め)によって生じる変形性膝関節症が最も多いと思われます。長年にわたり体重を支え、ねじれや屈伸などのさまざまな負担が蓄積し、膝関節を構成する組織の全てが傷んできます。80代ではほとんどの方に何らかの変形性変化があるともいわれています。

 中でも膝関節の骨の表面を覆い、滑らかな動きを可能にする関節軟骨、体重を支えるクッションの役割の半月板、膝が左右前後にぐらぐらしないように安定化させる働きの靭帯などが加齢とともに傷んできます(関節軟骨摩耗、半月板断裂、膝不安定性)。しかし、あくまでこれらは加齢とともに見られる生体の自然な変化であり、程度が強くなければ一生なんの障害も現れない人が多くいます。

 膝関節にかかる負担が多い人は変形性膝関節症を生じやすく、時に深刻な膝関節の障害が発生することがあります。危険因子としては、加齢、肥満、重労働、膝の捻挫や骨折などの外傷歴、女性、体質などが知られています。肥満を伴うメタボは内臓だけではなく膝関節にも問題を生じてきます。

 変形性膝関節症の典型的な臨床症状は、膝の痛み(初期にはだるさやこわばり)、曲がりにくい、伸びにくい、腫れる(水がたまる)、運動時に音がする、下肢の内反変形(膝が外側に曲がる)などです。半月板が傷んでいる方は強い痛みとともに膝が引っ掛かり動きにくくなることがあり、靭帯がよく傷んでいる方は膝が不安定で抜ける感じがすることもあります。

 今回ご質問の方は長年ウオーキングをされるなど活発に生活され、特に外傷歴もないようですので上記の変形性膝関節症が考えられます。また、たまに感じるという激痛や膝が抜ける感覚は、半月板断裂や靭帯の損傷が原因と思われます。ぜひ早めに近くの整形外科を受診され、診察・画像検査を受けて診断を確定されることをお勧めします。薬物治療、運動療法、装具治療、難治性の場合は手術治療による対応が必要なこともあります。

 さて、グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントといわれるものの効果についてですが、これまでに世界中で多数の研究報告がなされています。グルコサミンやコンドロイチンは関節軟骨の構成成分でありますが、これらを内服することで加齢により傷んだ関節軟骨や半月板が回復するメカニズムは十分に解明されていません。報告も「効果があった」とするものもあれば「なかった」と相反するものもあります。

 サプリメントは症状の緩和に対して有効な可能性はあるものの、一定の見解は得られていないというのが現状かと思います。
【写真説明】正常な膝関節(左)と、軟骨がすり減って骨がこすれ合っている膝