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徳島県医師会の健康相談
小児の食物アレルギー   2016/1/16 11:36
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ヤマイモ食べてかゆみ

 【質問】2歳児の母です。先日、ヤマイモを食べさせたところ、体にかゆみを感じて肌をかき始め、腕や首にもぶつぶつができました。前に食べた時には同様の症状はなかったので驚き、どうしたら良いか分からず戸惑いました。以前食べられた物でも、調理法や時期によって食物アレルギーは突然現れるのでしょうか? また、どんな症状ならどれくらい危険か、どう対処すれば効果的かを教えてください。

徳島大学病院小児科(徳島市蔵本町3)
杉本真弓特任助教

 血液検査で抗体調べて

 【答え】食物アレルギーでは、原因である食物を食べた後、多くの場合は2時間以内に症状が現れます。皮膚(かゆみ、赤み、じんましん)の他に▽粘膜(口や目のかゆみ、鼻水、くしゃみ)▽消化器(腹痛、嘔吐、下痢)▽呼吸器(咳、ゼーゼー、声がれ、息苦しさ)▽循環器(顔色が悪い、血圧低下)▽神経(ぐったり、意識がない)-にアレルギー症状が出ます。

 複数の症状が急速に現れる場合を「アナフィラキシー」と呼び、さらに血圧低下や意識障害を伴う場合を「アナフィラキシーショック」と言います。

 部分的な皮膚や粘膜の症状が現れた場合は、悪化しないか観察します。かゆい所は冷やすと良いでしょう。症状が悪化したり、続いたりしたときには医師に診てもらってください。

 呼吸器症状やアナフィラキシーは命に関わることもある重い症状ですので、すぐに医療機関を受診する必要があります。皮膚と粘膜の症状に効く抗ヒスタミン薬や、重い症状に有効なアドレナリン自己注射薬といった緊急薬を持っておくと受診までの間にも対応できます。緊急薬は重症度などに応じて処方されます。

 今回は、以前に食べて問題のなかったヤマイモを食べた後に皮膚症状が出たとのこと。食物アレルギーの他にも、アレルギーのない人に食物アレルギーと似た症状を起こすことのある「仮性アレルゲン」が原因だった可能性も考えられます。野菜や果物、肉と野菜のあく、鮮度の落ちた魚には仮性アレルゲンが多く含まれています。ヤマイモにもアセチルコリンという仮性アレルゲンがあります。

 今回の原因が、どちらであるかを明らかにしておくことは、今後の食生活や症状が出たときの対応を考える上で重要です。

 仮性アレルゲンの場合、アナフィラキシーのような重い症状を起こすことはまれです。一度にたくさん食べない、体調が悪いときは食べない、あく抜きや湯通し、加熱調理をする、新鮮な食材を選ぶといった工夫で症状を防げます。一方、ヤマイモアレルギーの場合には、調理方法に関係なく起こりますので、食べるのを避ける必要があります。

 食物アレルギーかどうかを診断するには、原因と疑われる食物のIgE抗体を血液検査で調べます。抗体が高値であれば食物アレルギーの可能性が高くなりますが、陽性でも症状なく食べられる人もいます。確定診断には、食べて症状が出るかを確かめる検査(経口負荷試験)が有用です。まずは検査について医療機関で相談してみてください。

 以前に食べられた物でも突然、食物アレルギーを発症してしまうことはあります。しかし、アレルギーを恐れて不必要に多くの食物を除去してしまうと、成長発達に悪い影響を与えることもあります。正しい方法で医師からアレルギーと診断された食物のみを避けるようにしましょう。