徳島新聞Web

8月18日(金曜日)
2 2
18日(金)
19日(土)
健康相談
萎縮性胃炎とポリープ   2017/7/29 11:56
このエントリーをはてなブックマークに追加

萎縮性胃炎とポリープ 薬の変更で胸にむかつき

 【質問】60代の女性です。胃カメラの検査で萎縮性胃炎と診断され、ポリープが一つ見つかりました。良性でそのままにしておくことになりました。ランソプラゾールという錠剤を飲んでいるうちは調子がよかったです。今は希望して薬を漢方に変えています。すると、朝食、昼食時は調子がいいのですが、夕食後に胸がムカムカして困っています。ポリープは放置していると、いずれは悪性になるのでしょうか。日常生活ではどんなことに気を付けるといいですか。
 
 日比野病院(徳島市寺島本町東2)
 日比野真吾副院長

 生活習慣の見直し有効

 【答え】萎縮性胃炎の大半はヘリコバクター・ピロリ菌の感染が原因です。ピロリ菌は幼少時に口から感染するのではないかと考えられています。現在、60代の約45%がピロリ菌に感染しています。ピロリ菌に感染すると胃に炎症が起きます。ピロリ菌による胃の粘膜の障害が長い間続くと、粘膜の萎縮が始まります。胃の粘膜の萎縮が起こると、粘膜の細胞が減って粘膜の厚さが薄くなります。この状態が萎縮性胃炎です。

 ポリープは盛り上がったイボのような良性のできものです。よく見られる胃のポリープには、過形成性ポリープと胃底腺ポリープがあります。<表参照>

 過形成性ポリープは、萎縮性胃炎の胃にできる赤いポリープで、ピロリ菌感染に関係しています。出血や悪性化する場合があるため、2センチ以上の大きなものは内視鏡で切り取ることもあります。除菌療法というピロリ菌を退治する飲み薬の治療で、ポリープが小さくなり、なくなることもあります。一方、胃底腺ポリープは、萎縮のないピロリ菌に感染していない胃にでき、悪性化は少ないとされます。

 萎縮性胃炎や胃のポリープが、ムカムカ症状を起こすのはまれです。

 内視鏡検査で他に異常がなくても、ムカムカ症状を起こす疾患に、非びらん性胃食道逆流症があります。胃の中のものが食道に逆流して起こる病気です。内視鏡検査で食道にびらん(ただれ)が見つかる人もいます。少ない逆流でも食道が過敏に反応して症状が起きます。しかし、約60%は内視鏡検査で何も異常がない非びらん性胃食道逆流症です。

 ランソプラゾールはプロトンポンプ阻害薬で胃酸の分泌を抑える薬。非びらん性胃食道逆流症の特効薬の一つです。プロトンポンプ阻害薬を長期にわたり毎日飲む治療法は、最も効果が大きく、症状再発もほとんどありません。

 オンデマンド療法という治療法もあります。しばらくは毎日薬を飲んで、症状がなくなれば、いったん薬をやめます。症状再発時に薬を再開し、症状がなくなればやめるというもの。必要に応じて薬を飲む方法です。一度プロトンポンプ阻害薬を飲んで効果があった非びらん性胃食道逆流症に有効な治療法です。

 生活習慣の見直しも有効です。具体例は▽肥満気味なら減量する▽おなかをガードルなどで締め付けない▽長時間の前かがみ姿勢を避ける▽食べ過ぎ飲み過ぎ、脂肪分の多い食事は避ける▽食後すぐ横にならず、右を下にした横向き姿勢にならない―です。

 飲み薬やピロリ菌について主治医と相談し、ムカムカのないすっきりとした毎日を過ごしてください。