徳島新聞Web

5月25日(水曜日)
2 2
24日(火)
25日(水)
遠くでトーク
戎谷日出男さん(枚方市市民菊人形の会ボランティア)   2016/2/16 10:53
このエントリーをはてなブックマークに追加

戎谷日出男さん(枚方市市民菊人形の会ボランティア) 色とりどりの菊を巧みに配置し衣装に見立てて作る菊人形。大阪府枚方市は全国有数の菊人形の名所で、3年前からその制作を手掛けるボランティア団体に加わった。「ちょうど退職して暇だったんでね。何もないところから一つの物が出来上がっていくことに喜びがある」

 等身大の菊人形を仕上げるには数多くの工程がある。木材で骨組みを作り、わらを巻いた竹ひごで胴体を整える。頭や手足は新聞紙、胡粉などを使って形作る。衣装となる菊を胴体に植え付け、小道具も必要だ。一体が完成するまで数カ月かかる。

 特に難しいのは頭をどう作るかだ。「写真をサンプルに作るが、平面から立体にするのは骨が折れる。でも、これだという頭ができたときは充実感があるね」

 菊人形作りを担う手先の器用さは、これまでの経歴によるところが大きい。

 宍喰町(現海陽町)に生まれ、水産高(現徳島科学技術高)で無線通信を学んだ。漁業に役立てるための技能だったが就職先に恵まれず、NTT関連の電気通信設備業に就く。テレビの全国中継に向けた設備や携帯電話の基地局整備などを手掛けた。

 通信業界の伸長が著しい時期で、仕事は次から次にあった。「海から陸になったが、同級生の中で通信業界に最後まで携わったのは私ぐらいかも。おかげで日本の多くの山に登ったね」

 徳島への愛着は強く、Uターンを検討したことも一度や二度ではない。ただ、生活の糧はどうするのか、地域内でのコミュニケーションは大丈夫か…などの不安もあり、踏み切れないでいる。

 「古里と疎遠になるのは寂しいが、やむを得ないこと。仕事に関する情報などをさらに発信してくれたらUターンも進むかもしれない」と話した。

 えびすだに・ひでお 県立水産高卒。1964年、協和電設(現協和エクシオ、東京)に入社。グループ会社の協栄電設工業(大阪市)に移り、取締役業務管理者などを歴任した。ボランティアグループで作った菊人形は秋のイベントなどで展示している。枚方市在住、70歳。