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遠くでトーク
緒方広明さん(京都大学術情報メディアセンター教授)   2017/12/5 11:15
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緒方広明さん(京都大学術情報メディアセンター教授) 情報通信技術(ICT)の進歩は目覚ましく、電子教科書や教材など教育の現場でも着実に浸透している。ICT利用を通じて蓄積する膨大なデータを活用し、教育支援につなげる研究を進める。

 「現在の教育は教師の経験や主観に基づいてなされており、明治期以来基本は変わっていない。ICTの進展によってこれまでの手法が根本から変わる可能性がある。そこにやりがいを感じている」

 現在進めているのがパソコンを使った学生の指導だ。一部の学部では学生全員が1台パソコンを持ち、講義の出欠確認や課題提出、テストなど学生生活全般に活用している。学生ごとに得手不得手や興味の対象などのデータが蓄積され、それを科学的に分析し、個々人に合わせた学習指導につなげる。「いわば教師を楽にする仕組みを考えている」と笑う。

 美馬市穴吹町出身の48歳。パソコンの進化と歩調を合わせるように成長してきた世代だ。パソコンに対する興味は尽きず、徳島大工学部で学び、そのまま研究職へ。徳島大で18年余り勤め、実践的な研究を進めるため2013年10月に九州大に移った。研究を九州だけでなく全国に広げたいと考え、今年4月から現職に就いた。

 「ICTを使った教育改革は世界的な潮流で、英国では60もの大学が共同で学習データの蓄積に取り組んでいる。日本でも徐々に進めていきたい」と意気込む。

 福岡市から京都市へ転居したのに伴い、古里は近くなった。通勤はもっぱら自転車で、鴨川沿いを通ってキャンパスへと向かう。「福岡は海に近い街だったが、吉野川や穴吹川に親しんできたので川を身近に感じる今の環境は肌に合う。退職したら徳島に帰ることを楽しみにしています」と笑顔を浮かべた。

 おがた・ひろあき 脇町高、徳島大工学部を経て同大大学院工学研究科修了。1995年、徳島大工学部知能情報工学科助手を皮切りに、講師、准教授を務め、2013年10月から九州大基幹教育院大学院システム情報科学府教授。今年4月から現職。香港教育大客員名誉教授なども務める。京都市在住。