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四国遍路ぶらり寄り道
四国遍路ぶらり寄り道
 四国の歴史的文化遺産「霊場」と「遍路」が今、あらためて脚光を浴びている。世界遺産登録へ向けた動きとともに、大量退職を迎えた団塊世代の自分探しやリセットの旅としての人気の高さが理由に挙げられる。これまで八十八カ寺は数多く取り上げられてきたが、その周辺に札所を支える遍路文化が数多くあることは意外と知られていない。四国の地方四紙は、そうした人やモノに光を当てる共同連載をスタートさせる。(このシリーズは毎週木曜日に掲載します)
薫的神社(高知市) 30番札所奥の院・安楽寺
全国でまれ僧侶祭る   2009/5/1 11:53
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薫的神社(高知市) 30番札所奥の院・安楽寺 高知市洞ケ島(ほらがしま)の安楽寺は、四国霊場三十番「奥の院」。

 この「三十番」、歴史的に複雑な経緯がある。昭和初期から同寺と善楽寺(同市一宮)の双方が札所を主張。一九九四(平成六)年、札所が善楽寺に一本化され、安楽寺は「奥の院」と位置付けられた。

 その奥の院のすぐ西隣にあるのが、薫的(くんてき)神社。

 神職の装束に身を包んだ禰宜(ねぎ)の中地英彰さん(32)が、境内を掃き清めていた。だがその一角で、お寺でもないのに線香がたかれているのは、なぜだろう・・・。

 実はこの神社、僧侶を祭るという全国的にもまれな神社。

 祭神の薫的和尚(一六二五-一六七一年)は藩政期の「瑞応寺」住職だったが、藩主の菩提(ぼだい)寺と対立、指弾を繰り返して投獄された。獄中では食を断ち、ついには舌をかみ切って憤死したと伝えられる。時の権力を恐れない反骨、頑固一徹ぶりが人々の心の琴線に触れ、やがて寺の境内に祭られた。

 その瑞応寺は明治初めの廃仏棄釈で廃れたが、間もなく境内の「薫的堂」が神社として発足。時代が激変して反・仏教の嵐が吹き荒れる中でも「気骨の和尚」に対する人々の尊崇の念は衰えることがなかった。

 「神道は死を不浄としますが、本殿のすぐ裏に祭神の墓所がある。そこに参拝者が供えるのはサカキではなく、シキビ。灯籠(とうろう)や池の石橋は寺の時代のものです」(中地さん)

 江戸期から明治にかけての土佐の歩みと民衆の気質が、これほど色濃く刻まれた神社もまれだろう。=おわり

 【メモ】薫的神社 廃仏棄釈で廃寺となった瑞応寺の境内にあった「薫的堂」が明治3年、洞島(ほらがしま)神社として発足。昭和24年、薫的神社と改称した。勝運の神様として信仰されている。

 ◇

 次回から美術館や博物館などを紹介する新企画「誘(いざな)うミュージアムin四国」がスタートします。
【写真説明】線香の香りが漂う薫的神社の境内。僧侶を祭る神社は全国的にもまれという=高知市洞ケ島

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