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四国遍路ぶらり寄り道
四国遍路ぶらり寄り道
 四国の歴史的文化遺産「霊場」と「遍路」が今、あらためて脚光を浴びている。世界遺産登録へ向けた動きとともに、大量退職を迎えた団塊世代の自分探しやリセットの旅としての人気の高さが理由に挙げられる。これまで八十八カ寺は数多く取り上げられてきたが、その周辺に札所を支える遍路文化が数多くあることは意外と知られていない。四国の地方四紙は、そうした人やモノに光を当てる共同連載をスタートさせる。(このシリーズは毎週木曜日に掲載します)
巡航船(高知県須崎・土佐市)36番札所・青龍寺
参拝用が地域の足に   2007/12/13 14:46
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巡航船(高知県須崎・土佐市)36番札所・青龍寺 太平洋に延びる横浪半島に抱かれ、約十二キロの深い入り江が続く半島北側の浦ノ内湾(須崎市、土佐市)。その穏やかな内海を「ドドドドドー」と音をとどろかせ、五トン船が波をけ立てる。

 マダイ養殖の作業場などを横目に、湾の南北を縫うように航行。カニ漁の漁師も手を止めて船を眺める。

 巡航船「くろしお」。公立の小中学校がない湾の南側の子どもたち約四十人を、毎日朝夕に運ぶ。子どもらの呼ぶ愛称は親しみを込めて「ジュンコウ」。夕方には船内のいすが宿題を広げる机に早変わりする。

 一九五四年から須崎市が運航し、今では地域に欠かせない「足」。その起源は、空海が半島に青龍寺(土佐市宇佐町竜)を建立した平安時代にさかのぼる。

 四国霊場三十六番札所・青龍寺の田中義了住職(65)によると、空海は寺を守るため、紀州から連れてきた大工ら「八人衆」をこの地に残した。当時は寺へ向かう橋や道がほとんど整備されておらず、参拝者らのために渡し船を出すように命じたという。

 空海も次の地(四万十町)へ向かう際、湾を船で移動。八十八カ所の中で、船で海を渡ることが許された唯一の場所ともいわれる。

 ただ、遍路は「歩く」イメージが強いためか、巡航船を利用するお遍路さんはわずかに月数人。「本当の遍路道は海の上なんですけどねえ」と田中住職。巡航船は「遍路の足」から「地域の足」へ役割を移した。

 寺を訪ねた帰り、南部洋稔さん(47)=宇佐町井尻=が寺の石垣を修理していた。実は八人衆の子孫というが、「ばあちゃんは詳しい話を知ってたけど、おれはあんまり知らんで」とぽつり。石垣を修理するつち音に、脈々と受け継がれてきた遍路の歴史が感じられた。(高知新聞)

 《メモ》青龍寺は高知自動車道土佐ICから県道土佐伊野線、宇佐大橋などを経由し車で25分。巡航船は、須崎市浦ノ内の埋立地区と坂内地区を結び、1日往復計8便。起点から終点まで所要時間は1時間7分。船賃は大人200-640円。小学生は半額。
【写真説明】お遍路さんを運んだ船も今では地域に欠かせない「足」となっている=高知県須崎市浦ノ内

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