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阿波の民話-音読シリーズ 子どもから大人まで
阿波の民話-音読シリーズ 子どもから大人まで
2007年1月1日から連載

再話・湯浅良幸(徳島民俗学会会長)

推奨・川島隆太東北大教授
【1154】雨の宮 東みよし町  
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 とんと昔(むかし)、あったと。

 今(いま)も昔(むかし)も同(お)んなしじゃが、天候(てんこう)は不安(ふあん)定(てい)じゃった。滅法暑(めっぽうあつ)い年(とし)や寒(さむ)い日(ひ)があった。ほんで、人々(ひとびと)は暮(く)らしに困(こま)った。

 特(とく)に夏(なつ)の日(ひ)でりがつづいて、雨(あめ)の降(ふ)らん日(ひ)が一月(ひとつき)もつづくことは珍(めずら)しゅうなかった。水(みず)の便(べん)の悪(わる)い山間部(さんかんぶ)では特(とく)にひどく、たいていの畑(はたけ)もんは枯(か)れてしもうた。ほんな時(とき)、神(かみ)さんや仏(ほとけ)さんにすがるしかなかった。

 法市(ほいち)から畑(はたけ)の上方(うわて)から足代山(あしろやま)へ行(い)く讃(さぬ)岐街道(きかいどう)沿(ぞ)いに「鉢巻山(はちまきやま)」(高(たか)さ八〇〇メートル)がある。ここに雨(あめ)の宮(みや)がまつられとる。

 いつ頃(ごろ)からまつられたんか分(わ)からんが、社(やしろ)はのうて積(つ)み石(いし)の上(うえ)にこんまい祠(ほこら)があるだけじゃ。

 日(ひ)でりがつづくと、山(やま)の下(した)のもんはここへ集(あつ)まってきてお祓(はら)いをあげ念仏(ねんぶつ)を唱(とな)える。大(おお)けな火(ひ)を焚(た)いて太鼓(たいこ)や鉦(かね)をたたき、雨乞(あまご)いをしたもんじゃ。

 おーしまい。

 参考 「三好町史」地域誌民俗編

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