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阿波の民話-音読シリーズ 子どもから大人まで
阿波の民話-音読シリーズ 子どもから大人まで
2007年1月1日から連載

再話・湯浅良幸(徳島民俗学会会長)

推奨・川島隆太東北大教授
【1841】かいの木山 三好市   2012/2/11 10:33
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 とんと昔(むかし)、あったと。

 三好郡(みよしぐん)南方(みなみかた)に「かいの木山(きやま)」ちゅうとこがあるそうな。「かい」ってどんな字(じ)を書(か)くんか分(わ)からん。ひょっとしたら「害(がい)」かも知(し)れん。

 この山(やま)には桧(ひのき)、杉(すぎ)、檪(くぬぎ)などの大木(たいぼく)が茂(しげ)っとり、昼(ひる)でも暗(くら)いそうな。

 この山(やま)の中(なか)ほどに格別(かくべつ)茂(しげ)った暗(くら)い森(もり)がある。この森(もり)に一斗(いっと)桶(おけ)もの回(まわ)りもある大蛇(だいじゃ)と五斗(ごと)桶(おけ)もの回(まわ)りもある大蛇(だいじゃ)が住(す)んどった。この大蛇(だいじゃ)と大蛇(だいじゃ)は仲(なか)がよかった。

 この森(もり)は化物(ばけもの)のような二匹(にひき)が住(す)んどんで、木(き)こりはこんまい木(き)でも切(き)り倒(たお)すと、大蛇(だいじゃ)の毒気(どくけ)によって病気(びょうき)になるそうな。死(し)ぬもんもあった。

 ほんで、木(き)こりでも何百年(なんびゃくねん)もの間(あいだ)、この森(もり)の木(き)にはよう手(て)を付(つ)けなんだ。もちろん、近郷(きんごう)のもんもおとろしがってこの森(もり)を避(さ)けて通(とお)ったそうな。ほんなわけで、この森(もり)の茂(しげ)みは深(ふか)いんじゃ。

 おーしまい。

参考「日本伝説叢書」阿波の巻

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