徳島市西大工町五の三島神社。参道の石段を登ると、現存するものでは県内最古とされるこま犬が入り口を守っている。一九六三(昭和三十八)年、市の有形文化財に指定された。
砂岩でできた像は長さ約百センチ、高さ約八十五センチ。両目を見開き、前脚をふんばり、頭を低くして正面をにらんでいる。正殿に向かって左側のものはかなり傷んでいるが、右側のものは目のくぼみもはっきりしており、保存状態は悪くない。
鎌倉から室町時代にかけて、神社周辺は奈良・春日大社の荘園だったという。この荘園を治める地頭に任命されたのが、承久の乱(一二二一年)での功績を認められた伊予の武士・河野通久だった。河野氏が信仰していた地元の三島大明神(大山祇神社)を徳島でも祭ったのが神社の始まりとされる。
神社創建当時のものと伝えられるこのこま犬は、朝鮮半島に多く見られる様式。
三島神社を兼務する春日神社(同市眉山町大滝山)の岡山秀則宮司は「こま犬は寄進などで新しくされることが多い。これほど古いものは貴重」と話す。いずれ、そばの空き地に建物を設けて保存することにしている。【写真説明】神社の入り口を守るこま犬=徳島市の三島神社