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文化財を巡る
文化財を巡る
地域に伝えられてきた文化財を随時紹介します。
2007年5月2日から連載
海部刀(海陽町)
切れ味鋭く全国で愛用   2009/1/21 11:19
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海部刀(海陽町) 阿波の名刀として知られる海部刀。約六百五十年前の南北朝時代、海部川流域の一帯を支配していた土豪・海部氏が、自国を守るために製作を始めた。海部川の水や流域でとれる砂鉄など良質の素材を使い、海部の刀工たちが大量に生産。切れ味の鋭さが評判となり全国の武将に愛用された。

 海部刀の全盛期は、室町時代から戦国時代。一五七五年に土佐の長(ちょう)宗(そ)我(か)部(べ)元(もと)親(ちか)の侵攻で海部氏の海部城が落ちてからは次第に衰退した。しかし江戸時代に入り、徳島藩主の蜂須賀家が海部の刀工を城下に呼び寄せ、産地を海部から徳島に移し、製作は幕末まで続いた。

 代表的な海部刀は、江戸時代以前の古刀期に阿(あ)州(しゅう)氏(うじ)吉(よし)が製作した名(めい)物(ぶつ)岩(いわ)切(きり)海(かい)部(ふ)。海部刀が「切れ味抜群」との評価を得たのは、この作品がきっかけとされる。徳島ゆかりの戦国武将・三好長慶が所蔵し、後に福岡藩主の黒田家に伝来した。

 海陽町四方原の町立博物館には、郷土を代表する文化財として海部刀四十六点を展示。中でも、室町時代初期の一三九五年に阿(あ)州(しゅう)住(じゅう)師(もろ)久(ひさ)が製作した脇差しは銘のある海部刀では最古。最近、阿南市の所有者から借りて展示を始めた大身槍(やり)は、江戸時代の水軍が船上で使っていたと考えられる。

 町立博物館の郡司早直学芸員は「全国に流通した刀が製作された海部川流域には、当時の最新のテクノロジーと高い文化があったことが推測される」と話している。
【写真説明】水軍が使っていたと推測される海部刀の大身槍=海陽町の町立博物館

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