国道438号から県道小谷西端山線を道なりに上ると、木々が生い茂る中にひときわ大きな桜が姿を現す。一九七一(昭和四十六)年に県の天然記念物に指定された吉良のエドヒガンザクラだ。
樹齢四百年を超えるとされ、高さは約二〇メートル。幹回り四・五メートルは県内第二位を誇る。枝が東西二三メートル、南北一九・二メートルにまで伸び、青く澄み渡った空に花びらやつぼみのピンクが映える。
九九-二〇〇〇年の周辺整備で遊歩道やベンチができてから、花見客が急増した。忌部神社が隣に移転してきた八九年以降、世話人らが開花時期に合わせて行っているアメ湯のお接待も好評で、一日に千人余りが訪れる日もあるほどの人気スポットとなっている。
古木のため、枝が折れたり枯れたりしたこともあったが、草刈りや施肥など地域住民の熱心な手入れのおかげでようやく往年の勢いを取り戻した。
長年、世話を続けている岸本貴代司さん(66)は「地域のシンボルとして、これからも多くの人に親しんでもらえるよう守り続けたい」と話している。【写真説明】樹齢400年を超えるとされる吉良のエドヒガンザクラ=つるぎ町貞光吉良