板野町大寺の岡上神社にある推定樹齢約七百年の大クス。高さ約三五メートル、根回り約二四・五メートルの巨木で、枝は南北に四〇メートル近く広がっている。一九七三年に県の天然記念物に指定された。
幹は地表近くで三本に分かれており、そのうちの一本はさらに高さ二メートル付近で二本に分岐。見る角度によっては三、四本の木が並立しているようにも見えるが、根は一つとされている。
神社の御神木として玉垣で囲まれ、祭られている。傍らには、一七六八(明和五)年建立の古びた石碑がある。その記述によれば、徳島藩から造船用にクスノキを差し出すよう命令を受けた村人たちが、命を懸けて嘆願し、木を守ったという。
二〇〇四年八月の台風で、長さ約一〇メートルの枝二本が折れたが、今も青々と葉を茂らせている。四国霊場三番札所・金泉寺と四番・大日寺を結ぶ旧遍路道沿いにあり、しばし足を止め、枝ぶりを眺めるお遍路さんも少なくない。【写真説明】推定樹齢700年とされる岡の宮の大クス=板野町大寺の岡上神社