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文化財を巡る
文化財を巡る
地域に伝えられてきた文化財を随時紹介します。
2007年5月2日から連載
上桜城跡(吉野川市)
篠原長房の悲哀物語る   2009/5/13 11:06
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上桜城跡(吉野川市) 吉野川市川島町桑村の四国山地中腹に堅固な山城があった。戦国時代、三好氏の重臣として活躍した武将・篠原長房(紫雲)が住んだ上桜城だ。本丸と西の丸からなる約二万二千平方メートルの城跡は一九八九年、県史跡に指定された。

 城は一五三二年から四四年にかけて築かれ、七二年(七三年との説もある)の上桜(川島)合戦で落城。阿波国の歴史の中で指折りの激戦に数えられるこの合戦には、戦死した長房の悲話が残っている。

 篠原長房は、畿内を制圧した三好長慶や弟義賢の死後、三好氏を支えた功労者だった。阿波公方・足利義栄(よしひで)を室町幕府十四代将軍に就かせたほか、分国法「新加制式」を制定して阿波国の秩序安定を図るなど多くの功績を残した。

 ところが七二年、長房は当時の三好氏の当主・長治に攻められる。上桜城は数千の軍兵に囲まれながらも二カ月余り持ちこたえたが、長房は討ち死に、多くの城兵も命を落とした。

 長房は、なぜ長治に討たれたのか。三好氏らの阿波勢を畿内から追い払った織田信長に対し、意見の対立があったともいわれるが、諸説あって定かではない。

 本丸跡は、長房の血を引く篠原孝一さん(73)=桑村、農業=ら一族が建てたほこらと石碑だけ。ただ兵(つわもの)どもの夢の跡を思わせる。
【写真説明】篠原長房が住み、上桜合戦の戦場となった上桜城跡=吉野川市川島町桑村

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