徳島市南佐古六番町の住宅街の一角でひときわ目立つ赤レンガ造りの洋風建築が、徳島市水道局の佐古配水場だ。1926(大正15)年の同市上水道創設時に建設された由緒ある建物。ポンプ棟が97年に国の有形文化財に登録され、翌年には源水井、集合井も追加された。旧厚生省の近代水道百選にも選ばれている。
ポンプ棟は高さ6・7メートル、長さ約24メートル。当時の内務省技官の設計で、普及し始めた欧風様式の影響が色濃く表れている。2連の縦窓の上にはアーチ状の窓が設けられるなど凝った造り。出入り口の上部には徳島の「粟(あわ)」をかたどったとみられる文様が刻まれるなど、設計者のこだわりも感じられる。
配水場は、約8キロ離れた吉野川水源地(石井町)からの水を、眉山中腹の佐古山配水池までポンプで送り出している。95年に無人運転の新ポンプ棟が稼働するまでは水道局職員が場内に駐在し、24時間態勢で運転管理していた。旧ポンプ棟には現在発電機が設置され、災害などの停電時に場内へ電力供給する役目を担っている。
4千坪近い広大な敷地は植栽が施され、公園のような雰囲気。市水道局は将来的に一般公開を検討したいとしている。【写真説明】赤レンガ造りの外観が印象的な佐古配水場ポンプ棟=徳島市南佐古六番町