第1次大戦中、ドイツ兵捕虜が暮らす板東俘虜(ふりょ)収容所(鳴門市大麻町板東)の兵舎(バラッケ)として2年8カ月間使われた。
縦7・3メートル、横27・3メートルの木造平屋建て。旧陸軍が1917年に8棟建設したうちの1棟の一部だ。
67年、解体に当たって同町萩原、柿本公(いさお)さん(75)が購入し、牛舎として再利用した。その後、市が買い取り、2006年にドイツ館前に移築。道の駅「第九の里」の物産館として生まれ変わった。
屋根を支える骨組みが明治、大正期に西洋文化の流入で取り入れられた「洋小屋組み」で、当時としては珍しい。
当時、柱やはりを組む場合、多くはくぎを使わなかったが、「洋小屋組み」ではくぎやボルトで固定した。これは、比較的細い材料で必要な強度が得られ、建築も簡単で費用も安いなどのメリットがあり、倉庫など大規模な建築物を短期間に建てるのに有効だった。
俘虜収容所は全国に6カ所あったが、バラッケが現存しているのは板東だけ。04年に国の登録有形文化財になった。【写真説明】バラッケの骨組みが残る道の駅「第九の里」=鳴門市大麻町