5月にオーストリア・ウィーンで公演した人形座「勝浦座」。現地の大学教授や学生、音楽関係者、市民ら計300人を前に、「式三番叟(そう)」「えびす舞」「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を披露した。オペラやクラシックで耳の肥えたウィーン市民から盛大な拍手を集めた。
農閑期の娯楽を作ろうと、1947年に久国地区の青年団を中心に結成。淡路島の人形座から講師を招き、人形遣いを学んだ。地元の神社や町外の祭りなどで披露するうちに注目が集まり、76年には国立劇場(東京)の10周年記念行事に招かれ、公演を行った。
海外公演も89、92年に米ロサンゼルス、97年米サンフランシスコ、03年スイス・ジュネーブ、今年のウィーンと、計5回こなすなど華々しい経歴を持つ。
町無形文化財の指定を受けたのは74年。「式三番叟」や「絵本太功記 尼ケ崎の段」などの演目を得意とし、今では年間60本の公演を行う。現在座員は20~80代の22人。勝浦高校に民芸部ができた62年から週2回、指導に当たるなど、後継者の育成にも力を入れている。【写真説明】公演終了後、人形を紹介する勝浦座の座員=5月、オーストリア・ウィーン(岩朝利治さん提供)