阿波市市場町の大野島神社境内にある樹齢500年ほどのクスの木。高さ約30メートル、幹回りは5・2メートルと、圧倒的な存在感を誇っている。
樹盛は衰えることなく青々とした葉が茂り、毎年5月には紫色の花を付ける。神社の総代長を務める近くの大塚唯士さん(80)は「昔は近所の子どもが木登りをしたり木の上で昼寝をしたりと、遊び場として親しまれていた」と振り返る。
このクスに絡み付く3株のノダフジとの共生が珍しく、1968(昭和43)年に県の天然記念物に指定された。
ノダフジはクスの枝を頼って成長し、クスはノダフジのつるが巻き付いて成長が抑えられることで一層の生命力が培われているといい、見事な共存関係にある。
隣接する神社本殿まで根が伸びて本殿が傾く可能性も懸念されており、10~15年先には本殿の移転も視野に入れているとか。大塚さんは「費用を伴うことになるが、貴重な文化財を保護するためにも仕方ない」と話している。【写真説明】ノダフジのつるが巻き付いた大野島のクス=阿波市市場町