上板町神宅の大山寺に伝わる銅経筒。青黒い光沢を帯びた鋳銅製の筒の側面には「大治元年」(1126年)との刻銘があり、900年近く前に作られたことを示している。1910(明治43)年に国の重要文化財に指定された。
経筒は、地中に埋納する経典を入れるための筒形の容器。大山寺の銅経筒は高さ45・5センチ、直径17・5センチの円柱形で、宝珠形のつまみがあるふたが付いている。筒の刻銘によると、当時の西範(せいはん)という僧が、信者の供養のため写経を埋納する際に使ったとみられる。
江戸時代中期の元禄年間に、寺の観音堂の裏山から掘り出された。中に納められていたとみられる経典は残っておらず、経筒内で腐ってしまったのか、掘り出された後に行方が分からなくなったのかは判然としない。現在は経筒だけが寺宝として伝わる。
普段は木箱に入れて保管しており一般公開していないが、事前に連絡をすれば見せてもらうことができる。年間30人ほどの見学希望者が訪れるという。【写真説明】900年近く前の「大治元年」の刻銘がある銅経筒=上板町神宅の大山寺