鳴門市大麻町桧の四国八十八カ所2番札所・極楽寺にある両界曼荼羅(まんだら)。1461体の仏が色彩豊かに細部まで丁寧に描かれ、見る者を圧倒させる存在感がある。
「金剛界」「胎蔵界」と呼ばれる2枚が一対になっており、大きさはそれぞれ縦157センチ、横107センチ。金剛界は大日如来の知性、胎蔵界は理性を表すとされ、2枚に存在するすべての仏が描き込まれている。
室町初期、南北朝時代(1336-92年)の作とみられ、周囲を細かな模様で縁取る「描き表装」が特徴的。きらびやかな装飾と均整のとれた配置で、県内に現存する曼荼羅の中でも最高傑作と評される。
長い年月の末にくすみや傷みがみられたが、約20年前に県、市と寺が協力して大規模な修繕を施し、往時の姿によみがえらせた。
曼荼羅は仏像よりなじみが薄いものの、昔から仏閣には欠かせないものとして人々の信仰対象になっていた。両界曼荼羅も公開こそされていないが、本堂の奥で大切に保存され寺の歴史を見守っている。
もともとは市の指定文化財だったが1973年、その価値を認められ県の有形文化財に指定された。【写真説明】色彩豊かで繊細な描写が施された両界曼荼羅=鳴門市大麻町の極楽寺